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歯の構造は意外と複雑?!

投稿日:2018年6月22日 | 最終更新日:2023年4月1日

こんにちは。横浜市緑区の歯医者、十日市場ファミリー歯科の正木です。

お口の中に生えている「歯」の構造って気にされたこともないかと思います。実は内部は何層かに分かれている層構造になっています。

歯の本数は、乳歯は20本、永久歯は32本(親知らず含む)からなっています。

歯の構造がわかると歯のどこの異常で、どのような症状がでてくるのかがわかりやすくなります。

今回は、この歯の構造とそれを支える組織についてお話します。

 

【歯は頭と根っこに分かれている】

歯は、

歯ぐきの上に出ている頭の部分「歯冠(しかん)

歯ぐきの中に隠れている根っこの部分を「歯根(しこん)

と呼ばれる部分でできています。歯冠、歯根それぞれが更に細かい組織でできています。

 

【「歯冠」をつくっている組織】

歯冠は、まず「エナメル質」という組織で周りが覆われています。エナメル質は半透明の組織で身体の中で一番硬い組織です。お口の中の色々な刺激から歯の中を守る役目をしています。

 

そのエナメル質の下にあるのが「象牙質(ぞうげしつ)」という組織です。歯の大部分が象牙質になります。固さはエナメル質よりも少しやわらかいです。顕微鏡で見ると細かい穴が神経の方までつながっており、ここが露出すると冷たいものがしみたり、歯ブラシでピリッとしたりします。この象牙質部分まで虫歯が進行すると痛みを感じてきます。

 

【「歯根」をつくっている組織】

通常は「歯肉(しにく)」と呼ばれる、いわゆる歯ぐきの中に隠れている部分ですが、歯周病や加齢により歯肉が下がると表に出てきます。

大部分は上でお伝えした「象牙質」からできていますが、その表面に「セメント質」と呼ばれる組織があります。これは、骨と同じ程度の固さでできており象牙質を保護しています。

さらに象牙質の中に「歯髄(しずい)」と呼ばれる、いわゆる神経と呼ばれるものがあります。

神経や血管、リンパ管なども一緒に入ってきて歯に栄養を与えている役目がある他、熱い冷たい痛いなどの感覚を伝える役目もあります。

 

歯髄はとても大切な組織なので何層にも渡って保護されているのですが、この歯髄を取ってしまうと大きなデメリットが生じます。

①歯に栄養がいかなくなるので、歯が黒くなる

②栄養がいかないことによって歯が割れやすくなる

③歯の寿命が短くなり抜歯のリスクが高まる

④虫歯になっても痛みを感じないので、ひどくなるまでわかりずらい

このようなデメリットが考えられます。歯の寿命を考えれば出来る限り歯髄を守ることが大切になります。

 

【歯を支えている組織】

歯を支えている組織を「歯周組織(ししゅうそしき)」といいます。この歯周組織が壊れる病気を歯周病と言います(歯周病)。

 

歯を支えている組織には「歯肉」「歯根膜」「セメント質」「歯槽骨」の4種類があります。
ではそれぞれの役割についてご説明します。

・歯肉(歯ぐき)

健康で正常な歯ぐきは、ピンク色ないし淡赤色で、歯の周囲を取り囲んでいます。歯ぐきが腫れていると赤色、貧血だと白色、色素沈着などでは黒色になることがあります。この歯ぐきに炎症が起きると「歯肉炎」と呼ばれる状態になります。

・歯根膜

歯の根っこのセメント質部分と周りを取り囲む骨との間にある、コラーゲンでできた組織です。咬む時に歯に加わる力を緩衝するサスペンションの様な役割をしています。

・セメント質

歯の根っこ部分を覆っている組織で、骨と同じ様な組成です。主な役割は、歯の根っこに歯根膜を付着させる事にです。

・歯槽骨

下あご、上あごの一部を形成し、歯を支える役割をもっています。この骨にまで炎症が及ぶと「歯周病」という病気になってきます。

【まとめ】

歯の組織にはそれぞれに役割がありどれも大切です。しかし、その中でも「歯髄」は最も大切で心臓部とも言える組織です。

そのため、この「歯髄」を守るために早めに治療を行うことが大切です。(「歯の神経って大切?神経の役割」参照)

横浜市緑区の十日市場ファミリー歯科では、出来る限り「歯髄」を残す治療をおこなっております。少しでも違和感があればお気軽にご相談ください。