歯科恐怖症とは　歯科治療への不安を解消し、歯の健康を守る

2024年8月31日 Category - 歯科コラム

こんにちは。横浜市緑区の歯医者、十日市場ファミリー歯科の正木です。

日々、診療をしていると歯科治療に対する恐怖心が強く、なかなか歯科医院に来られない患者様がいらっしゃいます。その中には「歯科恐怖症」と呼ばれる状態の方もいらっしゃいます。

歯科恐怖症（Dental Phobia）は、歯科治療に対する強い恐怖感や不安を感じる状態を指します。この恐怖症は、歯科治療そのものだけでなく、歯科医院の環境や音、においなどもきっかけとなります。多くの人々が程度の差はあれど歯科治療に対する不安を抱えていますが、歯科恐怖症はそれが極度に強くなり、治療を避ける原因となることが多いです。今回は、歯科恐怖症についてお話します。

 

歯科恐怖症の原因

歯科恐怖症の原因は多岐にわたります。以下は主な原因の一部です：

・過去の痛みを伴う経験

過去に痛みや不快な経験をしたことがあると、その記憶が強く残り、再び同じような体験をすることを恐れるようになります。

・他人の話やメディアの影響

他人からの怖い話やメディアでの恐怖を煽る表現が影響することもあります。

・コントロールの喪失感

口を開けて無防備な状態で治療を受けることに対する不安や恐怖。

・不安やパニック障害

一般的な不安障害やパニック障害を持っている人は、特に歯科治療に対して強い恐怖を感じやすいです。

 

歯科恐怖症の影響

歯科恐怖症の主な症状は多岐にわたります。例えば、診療の前夜に眠れないほどの緊張や、診療室に入るときに手足が震えるといった身体的な反応があります。また、「歯医者が怖い」という感情が強く、診療中にパニック発作を起こすこともあります。

歯科恐怖症を持つ人は、定期的な歯科検診を避けることが多く、その結果として歯の健康状態が悪化することがあります。虫歯や歯周病が進行してしまうと、治療がより複雑かつ痛みを伴うものになり、恐怖症をさらに悪化させる悪循環に陥ることがあります。

 

歯科恐怖症への対策

歯科恐怖症を克服するための方法はいくつかあります。

・信頼できる歯科医を見つける

優れたコミュニケーションスキルを持ち、患者の不安に理解を示してくれる歯科医を見つけることが重要です。

・治療前の相談

初診の際に歯科医としっかりと相談し、自分の恐怖や不安を伝えることで、歯科医が適切な対策を講じることができます。

・麻酔の使用を検討する

静脈内鎮静法や全身麻酔など、恐怖を感じずに治療することができる方法があります。しかし、地域のかかりつけ医では行っていないことも多いため、大学病院などの大きな病院に行って行うことが多いです。

・段階的な治療

いきなり大がかりな治療を行うのではなく、段階的に慣れていく方法も有効です。まずは簡単なクリーニングから始め、徐々に慣れていくことが推奨されます。

・現代の技術を利用する

無痛治療やレーザー治療など、痛みを最小限に抑える最新の技術を利用することも一つの方法です。

 

まとめ

歯科恐怖症とは、歯医者での診療や治療に対して強い不安や恐怖を感じる状態を指します。この恐怖症により、歯科治療を避けることで健康な歯を保つための適切なケアが行えず、結果として歯の健康に悪影響を及ぼすことがあります。

患者様とのコミュニケーションを大切にし、痛みの少ない治療を心掛ける医院に通うことは、歯科恐怖症の克服に役立ちます。定期的な検診とクリーニング、適切なカウンセリングとコミュニケーション、そしてリラックス方法や適切な麻酔と鎮静法の導入など、さまざまな対応策を活用し、スモールステップを心がけることで、痛みや不安を最小限に抑えながら健康な歯を保つことができます。

歯科恐怖症が怖いと感じている方も、専門的なケアと信頼できる診療を受けることで、不安は解消され、安心して治療を受けることができるでしょう。当院では、障害者歯科での経験を活かし、歯科恐怖症の方の治療も行っておりますので、お気軽にご相談ください。（十日市場ファミリー歯科）

Tag : 歯の知識 作成者 : 正木大介