症例case
30代女性 前歯に生じたブラウンスポットとホワイトスポットをエナメルマイクロアブレージョンとIcon治療で改善した症例
治療前 | 治療後 |
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- ご相談内容
「前歯の茶色いところが気になる」とご相談いただきました。
- カウンセリング‧診断結果
拝見したところ、右上の前歯1本の表面に茶色いシミのような模様「ブラウンスポット」と白いチョークで書いたような斑点模様「ホワイトスポット」が認められました。
ブラウンスポットは、複数の要因で歯の表面が変色したもので、見た目に影響を与えるだけでなく、放置すると虫歯に進行する可能性があります。
また、ホワイトスポットは、初期の虫歯や生まれつき歯の表面の組織「エナメル質」が十分に形成されないことなどが原因と考えられます。仮に、初期の虫歯が原因の場合は進行性ではないものの、患者様は見た目を気にされているため、ブラウンスポットとホワイトスポット両方を治療する必要があると診断しました。
- ⾏ったご提案‧治療内容
ブラウンスポットとホワイトスポットの治療方法として、以下の3つを提案しました。
①白く丈夫な素材「セラミック」を薄い板状に加工した「ラミネートベニア」を歯の表面に貼り付ける治療
歯の表面全体をセラミックで覆うことで、見た目の改善が期待できます。ただし、ラミネートべニアを装着する際に歯の表面を一層削る必要がある点、噛み合わせによってはラミネートべニアが割れるリスクがある点がデメリットです。②専用の薬剤で歯の表面を磨く「エナメルマイクロアブレージョン」後に専用の薬剤を染み込ませることでエナメル質を強化し、ホワイトスポットを目立ちにくくする「Icon(アイコン)治療」
エナメルマイクロアブレージョンは歯を削らずにブラウンスポットの改善が期待できますが、表面の汚れを取り除くことしかできないため、ブラウンスポットが歯の深くに及ぶ際は除去が難しくなるデメリットがあります。
Icon(アイコン)治療は歯をほとんど削る必要がないメリットがありますが、自由診療のため費用がかかります。③ホワイトスポット部分を削り、歯科用プラスチック「コンポジットレジン」を盛り付ける「ダイレクトボンディング」
保険診療のため、ほかの方法より治療費を抑えられますが、歯を削る必要があり材質が劣化しやすく、①や②の治療法よりも良好な状態を維持する期間が短くなる可能性があります。それぞれの方法について説明したところ、患者様は歯をほとんど削らずに治療ができる②のエナメルマイクロアブレージョン後にIcon治療を行うことを選択されました。
まず、使用する薬剤が口の中に入らないよう、治療する歯のみを隔離するゴムのシート「ラバーダム」を装着します。
次に、エナメルマイクロアブレージョンで使用する薬剤「オパールストラ」を歯の表面に塗布し、専用の清掃器具で磨いてから水で洗い流す処置を2回行いました。処置後は歯の表面がわずかに溶けるため、ラバーダムを外し、歯の表面組織に近い成分を含む「アパタイトペースト」で再度磨きました。エナメルマイクロアブレージョンの処置が完了したあと、Iconが浸透しやすくなるようエナメル質の表面に歯面処理剤を塗布し、洗浄後に乾燥させます。
続いて、Iconをホワイトスポットに塗り特殊な光を照射して硬化させ、表面が滑らかになるよう研磨を行いました。Iconはエナメル質を補強して酸性になるのを防ぐことで、ホワイトスポットの再発防止にも効果が期待できます。最後にブラウンスポットとホワイトスポットが目立たなくなっていることを確認し、治療を終了しました。
- 年齢・性別
- 30代女性
- 診療種別
- 自由診療
- 治療期間・回数の目安
- 3回
- 治療費総額の目安
- 約37,500円
(エナメルマイクロアブレージョン2回分、Icon治療1本分)