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歯周病とタバコの関係
こんにちは。横浜市緑区の十日市場ファミリー歯科の正木です。
喫煙が歯周病及び全身の健康にとって害になるものであることは、周知の事実だと思います。
では具体的に歯周病に対してどんな影響があるのか、今回は歯周病とタバコの関係をお伝えしていきます。
【タバコによってお口の中に起こる影響】
①メラニン色素沈着
喫煙をすると歯が黒くなってきます。これは歯ブラシでは落とせません。また、これにより歯垢がつきやすくなります。
②唾液の減少
唾液が減りお口の中が乾燥します。それにより虫歯菌・歯周病菌を抑える力が弱くなり歯周病・虫歯になりやすくなります。
③血管の収縮
これにより組織に酸素や栄養分がいきづらくなるため歯周病の悪化、抜歯後の治癒遅延などが起きます。
④免疫力の低下
免疫細胞の力が弱まることによって歯周病が悪化し、様々な病気にかかりやすくなります。
⑤歯周病菌の発育を促す
タバコのニコチンは歯周病を引き起こす歯周病菌の発育を促し、病原性を高めることがわかっています。
【喫煙者の歯周病の特徴】
免疫力が低下し、歯肉への酸素や栄養供給が少ないので、歯ぐきの炎症が起きにくい状況になっています。
つまり、歯ぐきが赤くなって腫れたり、ブラッシングの時に出血するなどの症状が起きにくいということです。
一見こう書くと良さそうにも思えるかもしれませんが、これは歯周病とわからずにどんどん症状が悪化してしまうということです。
通常健康な状態だと免疫細胞と歯周病菌が戦って、歯ぐきの炎症や戦った残骸として膿が出てきたりします。
喫煙者の場合、この免疫細動が弱っているので戦いが起きないということです。これにより抵抗することもなくどんどん歯周病が進んでしまいます。
【データから見る喫煙の影響】
国立がん研究センターが1164人(男性552人、女性612人)を対象に疫学調査を行っています。http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3687.html
この調査の結果、「受動喫煙経験のない非喫煙者」をベースに比較したところ、
「喫煙者」は約3.3倍
「受動喫煙経験のある非喫煙者」では約3.1倍
「家庭および家庭以外の場所で受動喫煙経験のある非喫煙者」では約3.6倍
重度の歯周病になる確率が高くなりました。
これにより、「男性」は自らタバコを吸う人はもちろんのこと、受動喫煙でも歯周病のリスクが悪化することがわかりました。
なおこの研究では、「女性」の受動喫煙と歯周病との間に相関関係は見られず原因は不明とされています。
【まとめ】
自らの喫煙は当然として、受動喫煙でも歯周病への影響があることがわかりました。喫煙は、心筋梗塞、ぜんそく、早産など歯周病以外にも様々な悪影響が出ることは確かです。
まさに百害あって一利なしです。できれば禁煙することがいいですが、なかなかわかっていてもできないというのが現状ではないでしょうか。本気で禁煙をしようと思ったら禁煙外来の受診も考えましょう。
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横浜市緑区十日市場町にある十日市場ファミリー歯科。
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