小児歯科Child Dentistry
子どもが生まれてから育児に忙しく、歯科にかかるのは3歳ぐらいで虫歯ができてからという場合も多く拝見してきました。
そんな時にいつも強く思うのが、正しい予防の知識をお伝えできていれば防げたかもしれないという想いです。お子様の虫歯は正しい予防知識をもち実践すれば多くの場合防ぐことが可能です。
子どもの治療は、大人の治療とは違います。治療に対する恐怖心もあり、無理に治療することはできません。
治療になる前に、一人でも多くのお子様の歯を守りたいという想いから当院では、予防治療・説明に力をいれています。
また、最近問題になっている口腔機能発達不全症の検査も行っております。
当院の小児歯科治療
当院のお子様への治療は、「3つの予防」という考え方で行っております。お子様の将来にとって、虫歯・歯周病・歯並びの予防は、とても大切な事と考えております。
- ① 虫歯の予防
将来、お子様がむし歯にならないためにも、歯科医院でのフッ素塗布や、自立した習慣と食習慣により自分自身で自分の歯をキレイにできることが重要です。小さい頃からのクセづけが必要です。 - ② 歯周病の予防
将来お子様が歯周病にならないために、ハミガキなどの取り組みで、歯周病菌がお口の中に定着しないように予防することが重要です。 正しい方法でのハミガキを心がけましょう。 - ③ 歯並びの予防
将来、お子様を悪い歯並びにさせない予防習慣を身につけさせることが、重要です。身体の正しい成長のためにも、予防が重要となります。キレイな歯並びや身体の正しい成長は、予防習慣によってできるのです。
将来のむし歯ゼロを目指して
乳歯は通常、生後半年から生え始め、3歳になるくらいまでに20本が生え揃います。そして小学校に入学する前くらいから永久歯が生え始め、28本(親知らずは含まず)の歯を持つことになります。
しかし多くの子どもたちが、大人になる過程でこの大切な歯をむし歯で失ってしまいます。
そもそもむし歯菌はどこからやってくるのでしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんにむし歯菌はいません。どこから感染するかというと周りの大人の口からです。同じスプーンや箸を使ったり、スキンシップをとることによって移っていきます。
お母さん経由が約50〜70%、お父さん経由が約30%と言われています。お子様を虫歯にさせないためには、まずはお母様、お父様の虫歯、歯周病治療を行い虫歯菌の数を減らすことが重要になります。お子さまが生まれてくる前までに、ご自身のお口の中の環境を整えておくことが大切です。
具体的な数値では、虫歯菌が少ないお母さんが子供に移す確率は6%、虫歯菌が多いお母さんが移す確率は58%に及ぶというデータもあります。
特に大切なのは2歳半まで
周りの大人からうつる虫歯菌ですが、お口の中にはその他にも様々な種類の菌が存在します。それらの菌の構成が決まるのが2歳半までと言われています。
つまり2歳半までに多くの虫歯菌に感染すると、その後一生菌の構成は変わることがなく虫歯のリスクが高まるということです。
そのため虫歯菌に感染する時期をいかに遅らせるか、虫歯菌に感染しやすい環境をいかに減らすかということがお子様の歯を守るためには重要です。
子どもに恐怖を与えるような治療は行いません
子どもにとって、歯科治療はやはり恐怖を覚えるものです。
子どもの気持ちを無視して、恐怖感を強くするような治療は行いません。
歯科医院の雰囲気になれてもらいながら、歯の治療をする理由をしっかりと理解してもらってから治療を開始します。
コミュニケーションをとる
歯科医師と子どもでしっかりとお話をして、コミュニケーションがとれた状態で治療を行えるように努力します。子どもと心が通じるまで根気よく接していきます。
身体を固定しない
怖がって嫌がる子どもを固定して、無理やり治療を行うということは絶対にしません。
歯科への恐怖が強くなり、将来にわたって治療が困難になってしまう恐れがあります。痛みを抑えた治療
可能な限り、痛みを抑えた治療を行います。子どもに、治療は「痛くない」「怖くない」ということをしっかりと実感してもらえるように取り組みます。
乳歯の治療の重要性
乳歯がむし歯になっても、「いずれ生え変わるから大丈夫」というように考えている方はいませんか?しかし、それはとても間違った考え方です。
乳歯にはあとから生える永久歯が正しい位置に生えるためのガイドとなる役割があります。そのため、乳歯のむし歯をそのままにしておくと、大人になってからの歯並び・かみ合わせ・顎の発達に大きな影響を及ぼすことになってしまいます。
せっかく綺麗な永久歯が生えてきてもすぐにむし歯になってしまう、曲がった状態で生えてしまう前に、乳歯の段階でむし歯になってしまったら早期治療を心がけましょう。
また、むし歯は感染症のため、むし歯の乳歯がある環境の中に永久歯がでてくると永久歯も虫歯になりやすくなります。
● 子供がむし歯になりやすい理由
乳歯は永久歯に比べ、エナメル質が薄くて弱いです。また表面にミクロの穴が沢山開いていて柔らかくなっています。そのため永久歯と比べるとむし歯になりやすく、その進行も速くなってしまいます。
予防のための取り組み
むし歯の早期治療の前に、
そもそもむし歯にならないように予防をしっかりと行うことが重要です。
当院では、下記の取り組みを行っています。
定期健診
乳歯が生えはじめたときから歯のケアは始まっています。歯が生えたらできるだけ早めにご来院ください。定期的にお口の中をチェックして、むし歯にならないためのケアを行いましょう。
フッ素塗布
フッ素を塗布すると歯質が強くなり、むし歯菌の出す酸に対して乳歯が溶けにくくなります。またフッ素は歯の「再石灰化」を促すので、小さなむし歯であればは治る場合があります。
シーラント
生えたばかりの乳歯の奥歯には深い溝があり、そこからむし歯になってまうことが多いです。そこでその溝を、あらかじめプラスチック(シーラント)で埋めてしまうという予防方法です。
歯みがき指導
子どもの頃から正しい歯みがきの習慣と方法を身に着けておくことは非常に重要です。 歯ブラシの選び方・持ち方・動かし方など、分かりやすく指導します。
生活習慣指導
甘いお菓子の食べすぎは、むし歯の原因となってしまいます。小さな頃からきちんとした食生活習慣を身につけられるように指導し、大人になっても健康な歯を保てるようにします。
キッズクラブ
キッズクラブとはお子様の歯の健康を守るためのクラブです。入会費・年会費は無料です。入会していただくと、フッ素塗布、治療の記録がわかるデンタルノート、ご褒美のガチャガチャを全て無料で受けていただけます。
唾液・顕微鏡検査
お口の中の状態を見える化し、効果的なケアの方法をお伝えします。主に「虫歯リスク」「歯周病リスク」「口臭リスク」の3つのリスクを判定することができます。
唾液検査は、ブクブクうがいの出来るお子様であれば行うことができます。
検査方法は簡単です。唾液検査はコップの水を10秒ブクブクするだけで、顕微鏡検査は歯間ブラシで少しプラークを取るだけです。
検査費用:両検査併せて1500円(税込)
お子様の口腔機能発達不全症への対応
お口がぽかんと開いている、いびきをかく、食べるときにくちゃくちゃと音を立てる、指しゃぶりがやめられない、発音が悪い、歯並びが悪いなど気になることはありませんか。
これらは全てお口の悪い癖が関係しているかもしれません。お口の悪い癖は、歯並びや健康に大きく関与しています。
咀嚼・嚥下・呼吸という生きてく上では根幹となる口腔機能は乳児期・学童期において獲得され、ある一定レベルまで発達すると、成人期にはその機能を維持し、加齢に伴って下降していきます。
この口腔機能は乳児期・学童期でしか獲得できないため、この時期に獲得できないと大人になっても口腔機能が低下したままになってしまい、高齢期にはさらに下がってしまうという問題があります。
そのため学童期に対策することが、今後のために非常に重要です。
こどもの口腔機能が獲得できていない状態を「口腔機能発達不全症」といいます。
当院では、保険で出来る「口腔機能発達不全症の検査」を行っております。お口のどんな機能に問題があるのかを検査できます。その際、簡単な自宅で出来るトレーニングもご紹介します。
もっと本格的にお口の悪い癖を治したい、歯並びも良くしたい場合は、自費治療の装置を使った「こども予防矯正」も行っております。お気軽にご相談ください。